2008年野鳥日誌
情報館の閉館後にボランティア活動を続けていた頃、我が家に毎年のように来ては巣立っていったツバメがぱったりと来なくなった。それまでは、ツバメには目を止めていたが、この頃から野鳥に関心が出てきて、図鑑と見比べながら野鳥観察をしていた。散歩の途中での観察で写真を撮る気もなく、ただの観察日誌だが、周りには野鳥が集まる水上公園や調整池があって、野鳥にはよい環境であることはお分かりになると思う。
3/28 昨年は、一時、我が家の巣にツバメが入ったが、なぜかその後は来なくなり、お隣の家に移ったようだ。お隣の家の中にツバメが巣を作って巣立ったらしい。今日、朝の散歩のときに、中古自動車店の近くでツバメを3羽見た。スピーカーに巣があるらしい。初飛来。
3/29 研修日。朝、バス停から駐車場の上空に10羽ほどのツバメを見た。川にはユリカモメがいたが、ツバメは飛んでいなかった。
3/30 朝、電線にツバメが止まってさえずっているのを見た。他に1羽が飛んでいた。つがいだろうか。昼過ぎ、小雨が振り出した中を花見に出た。ほぼ満開で、散り始めているのもある。グリーンハイツの近くでツバメが飛んでいるのを見た。まだ、数は少ないようだ。
3/31 昨夜来、強い雨。一日中、寒い。お隣さんと話をしたら、お隣の家の巣にはツバメが来ているらしい。我が家の巣には来た気配はない。
4/ 6 買い物の帰りに、水上公園にカメラを向ける大勢の人がいるので立ち止まって見ていると、急に1羽が飛び出してきて水にもぐった。カワセミだなと思った瞬間、今度は空中にホバリングしているのを見た。その後、右の方に移ったらしいが、確認できなかった。双眼鏡で対岸の茂みを見ると、カワセミが1羽止まっている。そのまま動かないので様子を見ていると、ふいにもう1羽が飛んできて、魚を渡した。カワセミの求愛給餌行動のようだ。その後も、雄は5回ほど近くの水に飛び込むが、その後は空振りばかりだった。背中が正面を向くと青く輝いてきれいだ。腹は茶色に見えたが、オレンジ色らしい。珍しいものを見た。
4/12 久しぶりに調整池に散歩に出た。以前に聞いたさえずりがカイツブリらしいので、できれば姿を確認したいと思っていた。手前の池で聞き覚えのさえずりがあったので、よく見ると何かが水面から消えるのを見た。出てくるのを待ったがなかなか出てこない。しばらくすると、また、同じ辺りからさえずりが聞こえた。あきらめて先に行くと、茶色っぽい小型の水鳥が何度も水にもぐっているのを見た。嘴の脇が白く見える。どうもカイツブリのようだ。黒くて嘴が白いオオバンもいて、もぐっていた。手前に胴体が黒くて横の羽根が白く、頭に冠羽のある水鳥がいた。帰って図鑑で調べると、キンクロハジロらしい。まだ、コガモも多く残っている。初めてカワウが3羽でいるのを見た。ツバメも飛んでいて、空ではヒバリが鳴いていて、すっかり春らしくなった。川にも水鳥がいたので、以前に見たカルガモかなと思ってよく見ると、コガモの雌だった。
4/14 買い物の途中で水上公園の池を眺めていたら、コガモでもなく、マガモでもないカモが3羽いた。頭が1色ではなく、白っぽい模様がある。家に帰って図鑑で調べると、カルガモだった。そのほかに、バンが、池に2羽、アシの茂みの方に3羽いるのを見た。
5/ 1 自転車でコルトンに行った。中央図書館から現代産業技術館を回り、ついでにトイザラスとラオックスにも寄った。行く途中の富貴島橋の手前で、川にキンクロハジロ1羽とカルガモ4羽が一緒にいるのを見た。
5/ 4 久しぶりに調整池に散歩に出かけた。途中、中古自動車店の辺りで、カルガモ2羽を見た。調整池に着くと、川にコガモが10羽ほどいた。いつもの階段にはコサギもアオサギもいない。空にはヒバリだと思うが、鳴き声が違う。奥の池にカルガモが1羽。大きい池では、コガモが20羽ほどでかなり少なくなった。その他には、バンとオオバンも数羽、中の島には、コサギとアオサギが立っていた。カイツブリの声は聞こえたが、姿は確認できなかった。
5/12 連休後も晴天が続いて日差しが強かったので、散歩は控えていた。一昨日は雨で、昨日も朝まで雨。昨日は、庭木の剪定が運動代わり。気温は低く、風も冷たい。川にはツバメが飛び交っていた。調整池の脇の川では、コガモが4羽ほど。調整池では、中の島にアオサギが4羽ほど。池にはコガモの姿はなく、潜っては浮ぶカイツブリが2羽とオオバンが1羽。カワウが池の中の杭に1羽と岸に2羽。池もさびしくなった。戻る途中、外から池に向かう飛影があり、池の傍の木に止まったので見ると、スズメ程度の大きさだが胴と羽根の一部の黄色が目立つ見たことのない鳥だった。帰って図鑑で調べると、カワラヒワのようだ。
5/23 久しぶりの散歩。週の前半は、通院やら、OB会やらで、結構歩いた。調整池の手前の川で、コサギ2羽を見た。川にはコガモの姿はなく、いつもいる段々ではなく、反対側の堰堤にアオサギが3羽いた。その後、トイレに寄ったので、いつもとは違うルートで行ったが、市民プールの駐車場でヒバリが1羽降りていくのを見た。池の中の島で、アオサギが手前に2羽と奥に1羽、中間の遠くにカイツブリが5羽見えた。左手にはカワウが1羽池から突き出た竿の先に止まっていた。左手でカイツブリの鳴き声が聞こえたが、姿は確認できなかった。前回も聞いた鳴き声が今日も聞こえたが、何かは不明。いま時分には珍しく、トンボを見かけた。
6/ 2 昨日は朝から晴れたので、庭木の残りを剪定。今日も天気は下り坂の予報なので、できるときにと散歩。川にはツバメがたくさん。調整池の脇の川でコサギが1羽。その先に川に潜る鳥が見えたので、行って見るとカワウだった。カワウは羽根が水に濡れるので、身体が浮いていない。見ているうちに飛び立った。調整池では、堰堤の池に、コサギが1羽、アオサギが8羽いた。奥の池の方では、オオヨシキリの鳴き声が多い。大きい池には鳥の姿がなく、杭にカワウが1羽止まって羽根を広げて乾かしていた。さっき見たカワウかもしれない。池に潜る鳥の姿を見たが、はっきりしない。オオバンのようだったが。すっかり池も寂しくなった。代わりに増えたのは、トンボとモンシロチョウ。帰りに川でセグロセキレイを1羽見かけた。
6/10 中古自動車店の辺りの川に、セグロセキレイが1羽。調整池の辺りの川の瀬に、コザギが1羽。その下流を見に行くと、何か動いている。頭が見えないので鳥ではないようだ。双眼鏡で見るとカメだった。カメが岸辺の草むらに20匹ほど。大小、模様の違いもあった。堰堤の下の池では、アオサギが8羽。トンボ、モンシロチョウ、モンキチョウ、アゲハ、キアゲハ、昆虫が増えた。奥の池には、アオサギが1羽休んでおり、後で1羽が飛んできた。いつもの杭にカワウが1羽。今日は羽根を広げていなかった。カイツブリの鳴き声がするので、見ると、1羽の鳥が水上に、6羽ほどが対岸の岸辺を歩いていた。歩いていたのはオオバンのようだったが、浮いていたのはカイツブリのようだ。以前から聞こえていたチョンチョンという鳴き声は、ヒバリのようだがまだ不明。市民プールの近くで、ツバメとは違う鳥を見たが、飛んでいたので何かは分からない。鳴き声がツバメとは違った。
6/16 セグロセキレイ2羽。カルガモの親子が4羽と橋の下流に1羽。コサギが1羽。監視カメラの鉄塔にカワウが1羽。堰堤の上にアオサギが1羽いて、下の池の周りにアオサギが8羽。ツバメの姿とオオヨシキリの鳴き声。ヒバリらしい鳥が1羽。奥の池でカイツブリの声が聞こえ、それらしい姿がときどき水に潜るのが見えた。トンボ、モンシロチョウ、モンキチョウ、キアゲハとアカタテハ(?)。中の池の杭にカワウが1羽いたが、最初に見たカワウのようだった。帰り道にはカルガモが1羽だけで、親子の姿はなかった。
6/20 雨が続く予報なので、雨が降り出す前にと思って出かけたが、途中でポツポツ振ってきたので、今日はゲストハウスの手前まで。堰堤にカワウが1羽と、カルガモらしい鳥が10羽。うずくまっていて、はっきりはしない。堰堤の下の池にアオサギが8羽。空にカワウが1羽、舞っていた。ツバメはたくさん。そのほかに、群れで飛ぶ大小の鳥を見たが、何かは分からない。首が長いので水鳥のようだったが。
6/24 梅雨の間の晴れ間。南風が強いせいか、飛ぶ鳥が少ない。いつもの瀬にコサギが1羽いた。下流にカメの姿はなかった。堰堤の上に、カルガモが11羽休んでいた。堰堤の下には、アオサギが8羽。チョウもトンボも飛んでいない。アカタテハが1匹だけ。奥の池にもいつもの杭にカワウが1羽いただけ。カイツブリの鳴き声が聞こえたが、姿は見なかった。珍しく調整池でセグロセキレイを1羽見かけた。今日はツバメも少ない。オオヨシキリは相変わらず。
8/ 1 暑い日が続き、日光にも当たりたくないので控えていたが、今朝は曇が多く、しばらくは日が出そうになかったので、久しぶりに出てみた。プールに行く子どもたちが多い。中古自動車店の先で、羽の黒いトンボを見た。調べてみると、ハグロトンボらしい。羽根が真っ黒で、細い胴はやや緑色に輝いて見える。その先の大柏川で珍しい鳥を見た。羽根は黒っぽく、腹から尾にかけて白い。頭は薄いグレーで嘴は細い。足が長いのが目立つ。5羽かたまっていた。帰ってから図鑑で調べると、アシナガシギだった。川にはコサギの姿はない。手前でカワウが飛ぶのを見た。早過ぎたのか、まだ門が開いていない。ゲストハウスの先の角まで行って戻ってみると、ちょうど開門している。入っていいかと聞くと、いいというので中に入った。川では遠目にカルガモが3羽。堰堤の上にカワウがいたが、同じカワウかもしれない。堰堤の下では、コサギが12羽、アオサギが17羽いて、にぎやかだった。アカタテハが1匹、モンキチョウが2匹、シオカラトンボが1匹。途中の池で横腹が黄色の鳥の群れが飛び降りて、また飛び立つのを見た。カワラヒワかもしれない。奥の池には、カルガモとカイツブリだけ。ツバメも少なめで、なぜかカラスが目立った。
10/4 涼しくなってきたので、久しぶりに出てみたが、天気が良過ぎて、歩くと暑い。結局、ゲストハウスで引き返した。まだ、渡り鳥はいない。見たのは、セグロセキレイが2羽を別々に、川でセイタカシギを3羽、カルガモを13羽とコサギを2羽。堰堤でコサギを1羽とアオサギを1羽。堰堤の下の池で、カルガモを2羽。堰堤には何時の間にか、ネットが掛けられていて、サギも窮屈そうだった。調整池の辺りでは鳥の鳴き声も聞こえず、静かだった。
(※id:TJOがid:apgmmanから受領したWord原稿を元に再構成、代理投稿したものです)
教育用GM管開発を振り返って(16)
大気圧GM管の自作の成否は、高電圧をどのようにして得るかにかかっている。これまでも多くのチャレンジャーが挑んでは挫折した記録がウエブ上には溢れている。概ね、6000Vが得られれば大気圧GM管での放射線の検出には十分で、1000V程度の原波形が得られれば倍電圧整流に後を託せばよい。ここでは、既に「らでぃ」実験集に掲載した3タイプを比較して解説する。
ブロッキング発振方式
三門の高圧電源*1を参考にし、トランジスタなどは後発品に置き替えた。ブロッキング発振で得た非対称パルスをトランスで共振・昇圧するタイプで、発振周波数は100Hz程度であるが発振波形は信号波形とは区別しやすい。しかし、発振波形は非対称性が極めて強く、倍電圧整流ではほとんど一段おきにしか加算されない。したがって、15段でもせいぜい7倍に止まる。しかも、使用しているトランスは汎用の小型トランスで入手はしやすいが、耐電圧がたかだか数100V程度で、高電圧には耐えない。やや低めの電圧にして使用する必要があり、直接出力は900V程度に止まる。それでも、しばしばトランスが層間短絡して使用不能になる。
原発振の調整は、2SC3419の、C7とVR5で行うが、C7はほぼ1000pFの固定で済むことが分かった。VR5も20kΩよりも大きい方が良い場合もあるが、ほぼこれで間に合っている。ただし、共振点は極めて狭いので、調整は根気よくする必要がある。むしろ、精密級の可変抵抗器を使った方が確実かもしれない。この調整次第で、得られる原発振の電圧が決まってしまう。次の図は、黒画用紙カソードでモナズ石のβ線を検出した場合のオシログラフで、原発振による約80Hzの負パルスが見えている。
高電圧の設定は、2SD2012のVR1で行う。5kΩと表示されているが、過熱・焼損しやすく、その後は10kΩに変更している。
チョッパー発振方式
ウエブ情報を参考に、チョッパー発振方式を試してみた。実際、展示模型のパンケーキ型GM管にはこの回路を採用している。約1kHzの矩形波をタイマーICで発振し、耐電圧900VのFETとチョーク・コイルで高電圧を発生させる。9V駆動では約900Vが得られる。多段の倍電圧整流をすれば、5000Vも可能である。本法は市販部品で製作できる代替案の一つであるが、発振波形は非対称でも信号波形とは区別しやすい。ただし、自作の際には、タイマーICの発振周波数とデューティー比の調整には根気が必要で、動作点は極めて狭い。
NE555の発振周波数は主にC8で、デユーティー比はVR2とR19で調節するが、調整個所が多いと反って調整が難しくなる。C8は0.1μF、R19は100kΩの固定としてVR2で調整する方が楽になる。ただし、VR2の調整範囲外が良さそうとなると、R19を変えることも必要になる。C8についても同様のことが言える。要は、根気しかない。
この回路は、パンケーキ型GM管用に作った回路なので、高電圧は900Vの固定となっている。高電圧をさらに上げるには倍電圧整流を加えればよいが、高電圧の調整は駆動電圧を変えることでは難しい、というか不安定になる。結局、高電圧の調整はVR2ですることになるのが、難点と言える。高電圧を大幅に変えないで済む場合には、使えると思う。
図の約1kHzの規則的なパルスが原発振のパルスである。計数の判定には支障にならない。
コレクター共振方式
高電圧の発生には、冷陰極放電管用の高圧ユニットのジャンク品を改造した。6段の倍電圧整流により、9V駆動では約6000Vが得られるが、入力電圧を加減することにより、約1000Vから約5000Vが得られる。高電圧は2.2MΩの高抵抗を介してアノードに接続し、カソードからは100kΩの入力抵抗を介して信号を取り出せば、その後の信号処理の自由度は高い。
銅品の図の破線の中が既製品で、既製品から出力トランス後段のコンデンサーを外して、倍電圧整流回路を追加している。前段は、駆動電圧を加減して、高電圧を調整するための回路となっている。既製品なので動作は安定しており、製品間のバラツキも少ない。簡単な改造で済み、極めて便利である。ただし、ジャンク品なので、既に、同品の市場での入手は多分無理と思うが、冷陰極放電管用の高電圧ユニットは他にもあり、LEDへの置き換わりで液晶ディスプレイの光源としては、そろそろ品薄にはなっているが、秋葉原などでのジャンク品の入手は可能と思う。ただし、製品の性能次第では、高電圧が得にくい製品もある。原発振が500V程度では、5000Vを得るのはかなり厳しいが、原発振は40kHz程度の正負対称のパルスなので、倍電圧整流の段数通りに昇圧できる。
まとめ
高電圧電源でこれまでに製作実績がある3タイプを解説した。
結局のところ、ブロッキング発振式は単発の自作にはよいが、多数を製作するには向いていない。チョッパー発振式は、高電圧の調整範囲が狭いことに注意を要する。結論的には、ある程度の数の高電圧電源を用意したい場合には、現在、入手可能な冷陰極放電管用の高電圧ユニットや、類似の高電圧発生ユニットを改造するする方法が勧められる。
(※id:TJOがid:apgmmanから受領したWord原稿を元に再構成、代理投稿したものです)
教育用GM管開発を振り返って(15)
高校理科実験での講義の考え方
高校生ともなれば、これまでに初歩的な放射線教育は受けたことがあると思われる。実験内容の距離、遮へい、半減期、統計的変動についてはそれぞれ各論として講義をするが、総論が必要と考えた。さらに、放射線を入り口として、量子論や相対論といった物理学への関心を持たせたい、あるいは、さらに高度な世界があることを高校生には提示して、今後の成長に役立ててほしいと思い、以下のような講義メモを作成した。やや、普通の高校生には難しいかもしれないが、トップレベルの高校生には魅力的と感じる内容になっている。ありふれた項目だが、具体的なイメージが掴みやすいように工夫してある。何かの参考になれば幸いである。
「GM管と放射線について」の講義メモ
放射線を粒子性とエネルギーの両面から見ることを意識している。
1.『放射線』の『見える化』
2.『GM管』で『音』が出るしくみ
- 放射線が空気を電離→電気の引力で集電→電流を電圧に変換→電圧を音に変換
- 音(パルス)1回 = 放射線1個
注.単純化したモデルで音になる仕組みを説明。電子なだれには触れていない。
3.『放射線』とは?
- 法律では
『電磁波』または『粒子線』のうち、直接または間接に『空気を電離する能力』を持つもの
注.放射線教育の難しいのは、「放射線とは?」に単純明快な答えがないこと。批判を恐れずに言えば、「放射線は、高いエネルギーを持った『粒』」であり、『粒』は粒子性の意。
4.『eV(エレクトロン・ボルト)』とは
- 原子や素粒子の運動エネルギーの単位
- 定義:電気素量(=電子の電荷) eクーロン(C)の粒子が電圧1ボルト(V)の真空の2点間で加速されるときに得る運動エネルギー 1eV=1.60×10-19J
- 粒子1個のエネルギーなので見かけは小さいが、重量あたりの運動エネルギーとしては極めて大きい
- 例:1MeVのβ線(電子)は1.76×1017J/kg
参考:銃弾や砲弾は105~106J/kg、流星、地球、太陽などの天体でも108~1010J/kg
注.空気の電離エネルギー34eVに呼応。エネルギーへの意識と大きさの相場観が狙い。
5.1eVのエネルギーとは
- 分子間力(化学結合)のレベル
注.エネルギーの大きさの相場観で、まず、電磁波である光のスペクトルと対比。波長で表されるのが普通だが、敢えてエネルギーで示した。波長が短いほどエネルギーが高いのは、分かりにくい。
7.『放射線』の特徴(1)小さい、軽い 量子力学的
- 『小さい』:α線(ヘリウムの原子核)の直径は3.8×10-15m、β線(電子)の大きさはゼロか極めて小さく、γ線(光子)の大きさはゼロ。
- 例:フラフープ(直径1m):α線=地球の公転直径(3.0×1011m=3.0×1014mm):ケシの実(直径0.57mm)
- 例:1リットル入りのペットボトル(1kg):α線:β線=太陽の重さ(2.0×1030kg):大型ダンプカー(13.2トン):2リットル入りのペットボトル(2kg)
注.よい例とも言い難いが、何とか具体的なイメージを持たせたかった。量子力学というキーワードも生徒には刺激的。
8.『放射線』の特徴(2)速い 相対論的
10.α線、β線、γ線、X線の違い
- α線=ヘリウムの原子核(大きい、重い、正電荷)
- β線=(高エネルギーの)電子(小さい、軽い、負電荷)
- γ線=(高エネルギーの)電磁波で、原子核から出る
- X線= (高エネルギーの)電磁波で、核外の軌道電子間から出る(あるいは高速電子の制動や偏向に伴う)
- α線やβ線の物質との作用は、電気力(静電引力・斥力)
- γ線やX線の物質との作用は、電子に働きかける作用(弱い相互作用)で固有のもの
注.ここでも、「実体」と「作用」を説明している。
11.『自然にある放射線』
12.『人工の放射線』
- 医療用のX線(レントゲン検査、CT検査、がん治療)、電子線(がん治療)、陽子線(がん治療)、重粒子線(がん治療)
- 空港などの手荷物検査用のX線
- 産業用のX線(検査など)、電子線(改質、滅菌など)、粒子線(半導体の製作)、光子線(ICなどの製作)
- 研究用の電子線、粒子線(高エネルギー物理)、光子線(分析など)
注.人工の放射線は、いわば人類の知恵の産物で、意外にも暮らしの中に浸透している。
以上だが、距離の逆二乗測とか、遮へいの指数則、放射性物質の半減期という性質や、放射性壊変については、それぞれの各論で解説しているので、ここでは触れていないことに、注意されたい。授業の時間制限の中で、約20分でこの講義を行ってきた。何かの参考になれば、幸いである。
(※id:TJOがid:apgmmanから受領したWord原稿を元に再構成、代理投稿したものです)
教育用GM管開発を振り返って(14)
放射線教育支援サイト「らでぃ」の実験集にも掲載したが、教育用GM管開発は結果として開発段階に応じた3タイプを残したことになる。クリアケースGM管、タブレットGM管、7セグメントLEDGM管である。これらの使い分けについて考えてみたい。
クリアケースGM管
既に述べたが、開発すべきGM管の候補を絞り込むためのパラメータ実験では、既にLCD表示の計数器で、パソコンにデータを取り込むためのRS232Cポートを持ったGM計数管ができていた。当然、自作で、以前に作った秋月電子製のGM管キットの回路を参考にしつつ、ブロッキングオシレーターと多段の倍電圧整流による三門先生伝来の高電圧回路と組み合わせた一体型のGM計数管であった。当初の開発目標が、安価なGM管と安価な計数・表示装置で、パソコンでログが取れ、印加電圧は1000V以内にといいう要望まで入っていたので、何とかその方向でと努力したが、まず、GM管で挫折した。
1000V以下で稼働するには、GM管はガス置換して1/10気圧程度の減圧で封じきる必要がある。ということは、市販品と同程度の製品を安く作れということに等しい。国内でGM管の製造が危ぶまれるようになった理由は、端窓の雲母膜を作れる職人がいなくなったからと聞いた。1/10気圧となると薄いプラスチックでは無理だ。容器についても、金属製となると簡単には行かない。平滑面を作るにはメッキか蒸着か、いずれにしてもどこかの工場に頼まないとできない。これらを総合的に判断すると、市販品と同程度のものを作
ろうとすると、コストも同程度となると考えざるを得なかった。
その代案が「大気圧空気GM管」だった。基本的な成立条件はパラメータ実験で分かっていたので、既に口径5cmクラスは可能と考えていた。口径5cmは市販のパンケーキ型GM管と同程度なので、計数率としては申し分ない。大気圧なので容器は薄いプラスチックで良い。端窓もプルスチックフィルムで済む。当時、「大気圧空気GM管」のGM管はプラカップにサランラップを被せるのが一般的だったが、これでは標準化しにくい。ここで言う標準化とは容易に同じものが多く作れるという意味で、学校の授業ではできるだけ性能を揃える必要があると思っていた。
そこで、偶然に見つけたのが、近くに山積みになっていたクリアケースだった。他の目的で購入したが使われないまま放置されていたもので、たまたまサイズが口径5cm、高さ5cmで、蓋付きだった。プラスチック製で厚さは0.2mm程度。うってつけと思った。プラカップでは円錐形なのでカソードは扇型に切り出す必要がある、蓋がないので、ラップフィルムを被せて輪ゴムで止めるというのも、まったく美的でない。プラカップは手作り感満載だが、イベントならともかく、学校の授業には向いていないと思っていた。そこで、見つけたクリアケースは天啓と言わざるを得ない。
話しは変わるが、高電圧電源の方はというと、仲間内の情報で高電圧ユニットがジャンク品で安く手に入るという。一例では、十分高い電圧が得られるので、分割抵抗で電圧を調整していた。分割抵抗と言っても紙で、紙の両端をクリップで挟み、適当な中間部から電圧を取り出すというしろもの。これも美的ではない。ジャンクなのでいろいろと探し回るうちに現在の冷陰極放電管用の高電圧ユニットにたどり着いた。既に最初に見つけた時より2倍の値段になっていたが、それでも1個200円だったので、在庫のほとんどにあたる100個を買い占めた。それが、いまでも原資になっている。
その後、何回かの改良を経て標準化した。このクリアケースGM管の特徴は、GM管が自作できること、あるいは、用意した部品を組み立てて、自作の雰囲気を味わえることで、生徒には評判が良い。ただし、性能にはばらつきが出やすい欠点もある。最大の利点は、ラドン220の半減期の実験ができることで、クリスタルイヤホンで音を聞くだけだが、徐々に音が少なくなっていくことを実感できる。完成した状態で用意すれば、小学校低学年から幼稚園児までの低年齢層でも安全に扱うことができる。高電圧電源はあえて透明プラスチックケースに入れてあるので、からくりが見えて面白いが、中学生や高校生向けには自作への誘いの思惑もある。
ということで、クリアケースGM管のセットは入門編だが、高校生でもGM管の組み立てなどを加えると十分授業になる。結構楽し気にやっているのを何度も見た。このセットの最大の特徴は放射線を音として検出することで、この音はサーベイメータの警報音とは違って、まさに放射線そのものが作った音である。つまり、他にはない検出手段で、なおかつ感覚的に放射線の存在を理解できる。このことは、計数を必要としない、小学校低学年や幼稚園児あるいは大人に訴える効果が大きい。サーベイメータではできない機能ともいえる。逆に言えば、定性的な実験には最適だが、定量的な実験には向いていない。例えば、ラドン220の実験では、実際は徐々に数が減っていくので、そのように聞こえるはずだが、多くの生徒は音が小さくなっていくと回答している。感覚というのは、そのような捉え方もあるので、注意が必要になる。感覚というよりは、言葉の表現の問題かもしれないが、放射線を音として聞くことの限界かもしれない。
結局、クリアケースGM管用に開発した高電圧電源は、可変抵抗器を付けて高電圧を可変にするなどの多少の改変を加えながらも、標準型の電源として、使用を続けている。
タブレットGM管
高校の授業で使用するには、計数機能が必要になる。距離の実験、遮へいの実験、統計的変動の実験、ラドン220の半減期の実験など、データを取って解析するには、安定した高電圧電源とGM管が必須となる。これまでのクリアケースGM管では、高電圧は可変抵抗器で調節すればよく、計数機能はないのであくまでもアバウトで済んだ。クリアケースGM管は蓋をするタイプなので、どうしても長時間の安定性に欠ける。実際に計数をしてみると、計数率は徐々に低下していく。1コマ程度の授業時間なら何とか維持できるが、翌日はもう使えない。また、高電圧電源も9Vの電池駆動なので、高電圧が徐々に低下していく。徐々と言ったが、意外と低下は早い。このような事情を考慮すると、密閉型のGM管とACアダプターを使用した安定化電源による高電圧電源が必要と考えた。
タブレットGM管は、計数・表示機能をタブレットに委ねるので高電圧電源は上のような要求が満たせれば、従来型と大きくは変わらない。タブレットに計数・表示のプログラムをインストールさえしておけば、特別な計数・表示装置は不要となる。また、ICT教育の時代になって、タブレットやパソコンにデータを取り込んでおけば、その後の処理にも役立つと考えると、タブレットGM管こそ次世代向けのGM管ではないか、と考えた。実際、学校側にタブレットやパソコンにプログラムをインストールできないかと照会したところ、難しいとの回答があったことが、タブレットを学校に持ち込むことになった理由である。その後は事情が変わっているかもしれないが。
結局、この段階で、塩ビ管を容器とし、ガス注入用のキャップ付きノズルを備えた密閉型GM管が開発された。高電圧電源にプラグインする接続方式は踏襲した。この密閉型GM管は、その後の継続的な測定で、良好なものは数年も性能を維持していることが分かっている。
一方、不具合もある程度出てきて、ブタンの再注入をしても改善されないものもある。密閉と言いながら、貼り合わせた接着剤の接着が不十分で、どこかにリークパスがあるらしい。端窓の方は透明シートなので、接着の具合はよくわかるが、天板は黒いABS樹脂板なので、接着面は見えない。また、ガス注入ノズルも接着しており、キャップを被せて封止しているので、その辺りも怪しいと言えば怪しい。この辺の反省点は、その後の改良版密閉型GM管では配慮されている。天板は透明にし、ガス注入ノズルは止めて、透明な板でガスの注入孔を接着して塞ぐことにした。接着部はすべて目視で確認できるので、信頼性は向上した。
また、性能のバラツキはほとんどがアノードの出来不出来にかかっている。中でも、アノードの先端部の形状がまちまちなのが原因と思われた。そこで、アノードの線材をよじって先端にフープを作る工程で、楊枝を使って先端フープの形状をできるだけ円形とし、その外径も2mmに統一した。アノードの先端付近の露出部の長さも、5mmで揃えた。この結果は、まだ、継続的に測定しているが、密閉性も性能も向上している。
7セグメントLEDGM管
(初期のタイプ)
4桁の7セグメントLEDで表示する計数・表示回路を高電圧電源に内蔵したコンパクトなGM管である。4桁なので、CPMでの表示は難しく、1秒率と10秒率で表示する。簡単化のため、電源スイッチは省略して、ACアダプターを接続または12V電池パックを接続してスイッチをONすれば起動するようになっている。また、高電圧はプリセットとした。半固定抵抗で調節できるが、生徒がその場で調節しなくてよいように配慮した。1秒率と10秒率の切り替えも、1秒率で起動して、プッシュスイッチを押すと10秒率で計数を始め、10秒のカウントダウンが表示された後に10秒率が表示・保持されるようにした。再度、プッシュスイッチを押すと、次の測定が始まり、これを繰り返す方式となっている。高圧電源は計数・表示回路のノイズ源なので、最小限の隙間を確保するように配慮した。このノイズには悩まされたが、1cm程度間隔を開けたり、高電圧のラインを回路に近づけないように配置したりして、解決した。
7セグメントLEDGM管は、計数値を読み取って記録し、その後にデータ処理をする方式なので、手間ばかりかかるが、実は生徒には忙しい方が良いらしい。何か、やった気になるらしく、むしろ評判は良い。逆に、タブレットGM管はいわば自動測定なので、何もしなくても済むといえば済む。読み取り、記録もできるので、必ずしも何もしないわけではないが、本来、自動測定ができる装置なので、授業で使うには工夫がいるのかもしれない。
7セグメントLEDGM管には、高電圧電源+7セグメントLED表示器、密閉型GM管、放射線源、遮へい板セットが同梱されたケースに入れて、12V電池パックとともに使用されている。授業の際に、無駄なセッティングの時間がないように配慮されており、各実験のためのワークシートも用意されている。かなり、教育用のGM管としては完成された姿になった。
教育用GM管開発を振り返って(13)
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apgmman.hatenablog.com
放射線教育支援サイト「らでぃ」の実験集に掲載した「Pythonでクルックス管の微弱X線を計数」のPythonプログラムについて解説する。Pythonやライブラリーのインストール方法や注意点、Pythonの文法の特徴などは「教育用GM管開発を振り返って(9)」に記載した。
「Pythonでクルックス管の微弱X線を計数」のプログラム例
これまでとは違って検出器はGM管ではなくウエブカメラなので、PyAudioは使用しない。この例は計数を目的としているので演算の部分はGM管の場合に似ているが、データの取り込み方はまったく異なっている。必要なライブラリーはOpenCvだけである。PyAudioを使用しない分、プログラムが簡単になっている。
まず。ライブラリーとしてOpenCvをインポートする。
import cv2 #画像処理ライブラリーをインポート
次に、ウエブカメラをデフォルトに指定する。タブレットなど既設のカメラがある場合には、引数の0を1にするとよい場合もあるが、まったく受け付けない場合もあるので、パソコンとウエブカメラの組み合わせの方が無難と思う。最初に初期値としてframe1に画像を読み込み、さらにカラー画像からモノクロ画像に変換したものをimg1とする。
cap = cv2.VideoCapture(0) #カメラ指定 ret, frame1 = cap.read() #初期画像入力 img1 = cv2.cvtColor(frame1, cv2.COLOR_BGR2GRAY) #カラー画像をモノクロ画像に変換
img1は演算の途中で改変されるので、img0として保存しておく。
img0 = img1 #画像初期値
画素の強度(輝度)は、0から255までとなっている。計数の閾値thresholdを適宜決めておくが、経験的には100でよい。
threshold = input('Threshold(0<255)? ') #計数の閾値 count = 0 #計数 m = 0 #10秒用コマ数カウンタ n = 0 #0.1秒用コマ数カウンタ k = 1 #繰り返し数
画像を取り込み、モノクロ画像に変換してimg2に保存する。
while k <= 6: #6回繰り返し ret, frame2 = cap.read() #画像入力 img2 = cv2.cvtColor(frame2, cv2.COLOR_BGR2GRAY) #カラー画像をモノクロ画像に変換
10秒経過後、画像の端の部分を除いて、画面上の輝度がthreshold以上の画素の数をカウントして10秒率として画面に出力する。ファイルに残したい場合は、ほかのプログラムをまねれば、簡単に作ることができる。ここで、画像の端の部分を除くのは試作で使用したウエブカメラではノイズらしい輝点があったためで、一般的なのかどうかは分からない。ノイズが出なければ全画面の方が良い。
if m == 300: #10秒ならば m = 0 #10秒用コマ数カウンタをクリア for a in range(60, 419): #画像の縦範囲を制限 for b in range(80, 559): #画像の横範囲を制限 px = img1[a, b] #画素(a,b)の輝度 if px > int(threshold): #輝度が閾値以上 count += 1 #計数を1増やす print('CP10/3S= ' + str(count)) #10秒率を出力 k += 1 #繰り返し数を1増やす count = 0 #計数をリセット img1 = img0 #画像をリセット
実はこの間、0.1秒ごとに画像を蓄積している。動画として取り込んでいるが、コマ数は毎秒30コマとなっている。したがって、画像は1/30秒ごとなので、n=3で0.1秒となる。
if n == 3: #0.1秒ならば n = 0 #0.1秒用コマ数カウンタカウンタをクリア img = img1 + img2 #画像を加算 img1 = img #加算した画像を次に送る m += 1 #10秒用コマ数カウンタを1増やす n += 1 #0.1秒用コマ数カウンタを1増やす
カメラを開放して終わる。
cap.release() #カメラをリリース
簡単なので、つい、ウエブカメラがγ線にも使えないだろうかと思ってしまうが、実はできない。ウエブカメラは可視光線向けの素子を使用している。そのため、低エネルギーのX線までは何とか検知できるが、それでも25keV以上は難しい。クルックス管の微弱X線についても低エネルギーほど感度が高く、無理にインダクションコイルの高電圧を上げる必要はない。むしろ15keV程度で十分なので、陰極線の実験よりは低い電圧で済む。
実は、α線やβ線でも極めて少数だが輝点は観測されている。しかし、計数実験に使えるような数ではないので無理である。また、α線とβ線で輝点に何か大きさとか輝度とかに違いがあるかというとはっきり言えない。ウエブカメラは、クルックス管からの微弱X線の観測に最適の機器と言える。
(※id:TJOがid:apgmmanから受領したWord原稿を元に再構成、代理投稿したものです)
教育用GM管開発を振り返って(12)
放射線教育支援サイト「らでぃ」の実験集に掲載した「Pythonでパルス波高分析の実験」のPythonプログラムについて解説する。Pythonやライブラリーのインストール方法や注意点、Pythonの文法の特徴などは「教育用GM管開発を振り返って(9)」に記載した。
「Pythonでパルス波高分析の実験」のプログラム例
やや特殊な計測となるが、「教育用GM管開発を振り返って(4)」で述べたように、GM管をその構造や構成のまま印加電圧を下げていくだけで比例計数管として動作させることが可能である。その場合に必要となるパルス波高分析を行うPythonプログラムについて解説する。プログラムでは、60秒間の計測を行って検出パルスの波形を記録するとともに、波高ごとの度数を求めて、波高の最大値を1000チャンネルとした波高分布をグラフとして出力することで、パルス波高分析を行う。
まず、必要なライブラリーをインポートする。このうち、numpyはPythonのインストールで同時にインストールされるので、ライブラリーとして別途インストールする必要はない。#以下はコメント文である。
import pyaudio #マイク入出力処理 import numpy as np import matplotlib.pyplot as plt #グラフ処理
次に一連の音声入力をストリーミングとして関数化する。CHUNKは入力単位でここでは、1024個ごとにサンプリングする。サンプリング周波数は変えられるが、デフォルトのままにした。録音時間は60秒とした。
CHUNK = 1024 #入出力の長さ FORMAT = pyaudio.paInt16 #2Byte整数 CHANNELS = 2 #ステレオ RATE = 44100 #サンプリング周波数(Hz) RECORD_SECONDS = 60 #録音時間(秒)
ストリーミングをオープンし、CHUNKごとのデータdata-rawをframesというlistに追記していく。
p = pyaudio.PyAudio() stream = p.open(format=FORMAT, channels=CHANNELS, rate=RATE, input=True, #入力のみ frames_per_buffer=CHUNK) print("* recording") frames = [] #空のlistを用意 for i in range(int(RATE * RECORD_SECONDS // CHUNK)): #CHUNK単位で切り捨て data_raw = stream.read(CHUNK) #サンプリング frames.append(data_raw) #60sec分を加算 frames_int16 = np.array(frames) #numpyアレイに変換 print("* done recording")
ここでストリームを閉じる。
stream.stop_stream() #ストリームを閉じる
stream.close()
p.terminate()
以下は、波高ごとの度数を求め、波高の最大値を1000チャンネルとして波高分布を求める演算で、まず、2進数を10進数に変換し、データは片チャンネルだけでよいので、ステレオのLチャンネルのデータだけを抽出する。
data = np.frombuffer(frames_int16, dtype='int16') #バイトデータを整数に変換 data_l = data[::2] #ステレオのLチャンネルを取り出す data_max = int(max(data_l)) #最大値を求める nu = 0 #閾値以上を判断 nd = 0 #閾値以下を判断 spectrum = [1 for i in range(1001)] #listを1000Channelに初期化 threshold = int(data_max / 10) #閾値を最大値の1/10とする peak = int(threshold) #ピーク値の初期化 for k in range(len(data_l)): #全データを逐次処理 dat = data_l[int(k)] #listの要素kを取り出す if int(dat) > int(threshold): #閾値以上ならば nu = nu + 1 #閾値以上の回数を1増やす if nu == 1: #閾値以上の回数が1(初回の意)ならば nd = 0 #閾値以下の回数を初期化 if int(dat) > peak: #これまでのピーク値以上ならば peak = int(dat) #ピーク値を更新 if int(dat) <= int(threshold): #閾値以下ならば nd = nd + 1 #閾値以下の回数を1増やす if nd == 1: #閾値以下の回数が1(初回の意)ならば peakch = int(peak / data_max * 1000) #規格化 spectrum[peakch] = spectrum[peakch] + 1 #1加算 peak = int(threshold) #ピーク値を再度初期化 nu = 0 #閾値以上の回数を初期化
パルス波高分布の出力ファイルspectrum-data.csvを開き、チャンネル番号と度数を出力する。
with open('spectrum_data.csv', mode='w') as fs: #ファイルを開く for m in range(1, 1001): #1000チャンネル分を逐次処理 spect = spectrum[int(m)] #listの要素mを取り出す fs.write(str(m) + ',' + str(spect) + '\n') #末尾に追加
グラフの上段にはパルス波形を、下段にはパルス波高分布を描画して終了する。
plt.subplot(211) #グラフの上半分を指定 plt.plot(data_l) #入力信号をプロット plt.subplot(212) #グラフの下半分を指定 plt.plot(spectrum) #スペクトルをプロット plt.show() #描画
次の図は出力の例であるが、高チャンネル側にGMモードのピークが現れている。
(※id:TJOがid:apgmmanから受領したWord原稿を元に再構成、代理投稿したものです)
室内遊び「平板ブーメラン」
お正月の団欒のひと時に、室内で子供でも遊べる「平板ブーメラン」をご紹介します。2m×2mくらいの広さがあれば、床の上のマークめがけて飛ばして遊べます。マークにうまく落ちたら、ミカン一個なんてゲームにもなります。ぜひ、ご家族や友人と遊んでください。作り方は、極めて簡単です。飛ばすのには多少コツがありますが、野球ができる方ならば簡単です。
平板ブーメランとは
普通のブーメランは、くの字型の木製やプラスチック製で、飛行機の翼のような反りがありますが、平板ブーメランは、十字形の厚紙製で反りがありません。反りがない分、子供でも回転の抵抗がない分、飛ばしやすく、当たっても痛くないうえに軽いので室内で飛ばすのに適しています。大きくすればそれなりに遠くへ飛ばすこともできますが、ここでは8畳間程度の室内でも飛ばせる大きさの平板ブーメランを紹介します。
用意するのは、はがきまたははがき大の厚紙1枚。はがきでもでもできますが、画用紙や適当な厚紙の方が重くなって飛ばしやすくなります。型紙と作り方、飛ばし方は次ページの図を参考にしてください。これは、あるイベントのノベルティーとした用意したものですが、もう時効だと思いますので、そのまま載せました。
飛ばし方というか、投げ方のコツは、野球のボールを投げるような、いわゆるスリークォーターで、手首をうまく使ってできるだけ平板ブーメランが回転するようにします。子供はこの回転を入れるのが普段の動作にはないので、慣れるまでは難しいかもしれません。でも、すぐ慣れるのであきらめずにチャレンジしてください。
速度は遅いので身体に当たっても痛くはありませんが、目に当たったりするといけないので、子供にはふざけ半分で、人を目掛けて投げないように注意して見てやってください。
平板ブーメランは、右利きでも左利きでも同じようにできます。同じように飛ばせば、旋回の方向が逆になるだけです。右利きならS字型、左利きなら逆S字型の飛行ルートで戻ってきます。完全に手元に戻るのは無理ですが、手を伸ばせば届くくらいの距離まで飛ばすこともでき、一人遊びでもできないことはありません。いろいろと楽しめると思います。